2007年11月04日
引き出物
先日、安土忠久作のウイスキーグラスを結婚式の
引き出物としてご利用頂きました。
ご用意する時期が沖縄買い付けの時期と重なったため
お客様には何かとご迷惑をお掛けしてしまいましたが、
無事にお届けでき、大変喜んで頂きました。
お手持ちになられた方々にも喜んで頂いていると、
勝手に信じています。

山梨県のS様、ご利用誠に有難う御座いました。
お二人のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
2007年10月25日
みやげ話■2007年沖縄買い付け
今回も山陰と同様に天気に恵まれ、非常に良い
買い付けができました。
沖縄はいうまでもなく独特の文化を持ち、それらは
今でも継承され、育まれていました。
印象深かったことをご紹介します。
■シーサー

ごく当たり前に民家の門や屋根に置かれているシーサー。

このシーサーはかなり年月が経っていて屋根と一体化しています。
名護市役所では沢山のシーサーがお出迎え。


市役所の建物自体が非常に見ごたえのある建築
でした。

照屋窯さんの屋根にいるシーサー

■厨子甕(ずしがめ)
厨子甕とは骨壷のことです。ある期間経過した遺骨を取りだし、
「洗骨」によって洗い清めたあと、あらためてこの甕に納める
という風習があったのです。
琉球王の墓、玉陵(たまうどぅん)の中にはこんな厨子甕が
あるそうです。


ちなみに玉陵は世界遺産。首里城のすぐ近くにあります。
高さ80cm程もある大振りなものから小さなものまで、
厨子甕は現在でも作られています。

読谷の金城敏男さんの工房の前に置かれていた厨子甕。

照屋佳信さんの厨子甕。ひび割れたりして売り物にならなく
なった品々が工房の入り口付近に。

こちらは今回仕入れた照屋窯の小さな厨子甕。
※左下は水滴です。

上江洲茂生さんの厨子甕。ちなみに上江洲さんの厨子甕は
Landscape Products の中原慎一郎さんがブログで紹介されて
います。

こちらは今回仕入れた茂生窯の厨子甕。
※左下は花入れです。
googleの画像検索で「厨子甕」面白いです。
是非お試し下さい。
■大きな器
宿泊した民宿「海山木」での夕食。この日はバイキング。
大皿に盛り付けられていました。この民宿の女将さんは
器にこだわりのある方で、色々と話が弾みました。



壷屋の工芸店の店員さん曰く、沖縄の人々は集まるのが
大好きで、皆で食事をするのも大好き。だから大きな器は
必需品だとのこと。
年末になるにつれ、大皿はどんどん売れていくそうです。
■福田健治さん
今回は残念ながらお手元に品がなく買い付けができなかった
のですが、大宜味で作陶されている福田健治さんの工房にも
お邪魔してきました。


これらの品々も既に行先が決まっていて、、、
次回は必ず仕入れてきます!
海に入ったり沖縄料理を食べたりももちろん
楽しかったのですが、こういった文化に触れる
のもまた頗る楽しかったです。
また今度行く時は他の窯元さんも訪ね、紅型を
色々と見ようと思っています。
2007年10月01日
みやげ話■2007年山陰買い付け
8月の買い付けは良い品を沢山入荷することができ、
非常に充実したものになりました。
そして嬉しいことに、行く先々で貴重なお話を聞くことが
できたり、思わぬイベントに出くわしたりと買付業務以外
でも色々なことがありました。
そのおかげで、買い付けは毎回楽しいのですが、
今回はいつも以上に楽しかったです。
掻い摘んでご紹介します。
8.15 武内晴二郎さんの作品 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------
まず初めに伺った森山窯では武内晴二郎さんの作品を
見せて頂くことができました。


上は大皿、直径は40cm近くあったと思います。
下は灰入、蓋の内側は煙草を置けるようにつくられています。
森山さんは河井寛次郎さんに師事した後、倉敷の武内さんの
元で修行を積まれました。戦争で片腕を失っていた武内さんの
仕事は型モノが多かったのですが、ごく少数轆轤を使って成形
されたモノがあります。
それらの轆轤は森山さんや他のお弟子さんたちがなされたとの
こと。この灰入は森山さんが轆轤を担当したそうです。
森山さんは河井寛次郎さんの内弟子だったことでご存知の方は
多いかもしれませんが、もう一人の御師匠、武内晴二郎さんも
上の2点のような作品や、他にもスリップウェア、練上などの手法
による素晴しい作品を残されている作家でした。
100点を超える武内晴二郎作品を所蔵する大阪日本民芸館の
ホームページ内ではスリップウェアの大皿を見ることができます
ので是非ご覧下さい。画像でもその存在感が伝わってきます。
8.16 出西窯創立60周年記念展 --------------------------------------------------------------------------------------------------------
この日に伺った出西窯は創立60周年のイベントを催していました。
パネルや資料からは現在に至るまで出西窯で作陶をされてきた
方々のご苦労や熱心さが、また展示された品々とその説明からは
日用品としての作陶を続ける出西窯の姿勢が伝わってきました。
4日には創設メンバーの一人、多々納弘光さんの講演が
あったようです。是非お聞きしたかったです。


様々な大きさ・デザインのピッチャーの展示。
「良い品物は大きくても小さくてもぼやけない」と、とある
工芸品店の方が仰られていたことが思い出されました。
後ろの棚にはピッチャーと蓋モノが並んでいました。

河井寛次郎から贈られた書 「泥風火雨」

河井寛次郎、濱田庄司から贈られた作品


バーナード・リーチの作品(上)とスケッチ(下)。
現在でも作られている品のデザインや技法を見てみると、
その足跡を一番強く残したのはリーチだったように思います。
ちなみに現在、松下電工汐留ミュージアムにて
「バーナード・リーチ -生活をつくる眼と手-」という展示が
行われています。まだ行ってませんが、楽しみです。
8.16 道の駅 湯の川 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
出西窯を後にし、すぐ近くにある道の駅湯の川にて昼食。
こちらでは食事が出西窯の器で出てきます。
この日は蕎麦を注文しました。

当店でもご用意している呉須の6寸深皿で頂きました。
8.16 灯篭流し@松江市 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
この日の宿泊は松江市。丁度送り盆の時期に当たり
宍道湖と中海を繋ぐ大橋川では灯篭流しをしていました。


かなりの数の灯篭がゆっくりと進んでいく風景は圧巻で、
色彩がなんとも綺麗でした。
8.17 cafe rosso --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
この日は鳥取に向かう前に一休みしたく、安来市にある
cafe rosso にて一服。
BRUTUS誌でも取り上げられていたこちらのカフェ、バリスタの
門脇洋之さんはバリスタ世界大会で2位になる程のツワモノ。
アイスラテとカプチーノを飲み、豆を200g購入。
実に美味しかったです。しかし完全に休息モードだったため
画像を取り忘れました。悪しからず。
今後もここでの一服が定番になりそうです。
8.18 生田和孝展@鳥取民藝美術館 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
この度取り扱いを始めた中井窯以外にも鳥取には沢山の窯元があり、
それらをリサーチするべくたくみ工芸店さんへ。たくみ工芸店さんへ
向かうと隣の鳥取民藝美術館に「生田和孝展」の文字が。
生田和孝さんといえば俊彦窯の窯主、清水俊彦さんのご師匠。
なかなか作品を見る機会がなく、いつか見たいと思っていたのです。
生田さんは河井寛次郎さんに師事していたこともあり、寛次郎さんの
影響を強く受けた作風もありましたが、生田さん独自の個性を感じる
作風のほうが断然多く、私はそちらのほうに強く魅かれました。
師から学んだ技術・考え方を元に自分なりに作陶するという姿勢。
この生田さんの展示からも、森山窯・出西窯・湯町窯に並んでいた
品々からもそういう姿勢を強く感じました。もちろん俊彦窯の品々
からもそれは感じます。
館内撮影禁止のため、こちらも残念ながら画像が御座いませんが
ご了承下さい。
たくみ工芸店さんでは鳥取のモノはもちろん、日本各地の品が
見れて大変勉強になりました。
8.18 投入堂 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
中井窯での買付を終え近くの道の駅で昼食をとり、前から気に
なっていた投入堂のある三徳山へ。
しかしながら入山は午後3時まで。入山手続きの場所に到着した時は
既に午後4時だったため入山できず、遠くから写真を撮るのみ。

遠くからでもあの幽玄な佇まいには感動しました。
次こそは必ず。
ちなみにこちらも以前、BRUTUS誌の茂木健一郎さんの特集の中で
紹介されていました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 帰宅
これ以外にも立ち寄った出雲大社ではお祭りをやっていました。
また松江では松江城・武家屋敷などを散歩し、充実した時間を
過ごしました。
唯一、投入堂は残念でしたが、連日の晴天と幸運に恵まれた
実りの多い旅になりました。
さて、今月は念願の沖縄買い付けに行きます。飛び込みの
買い付けになるので上手くいくかは分かりかねますが、非常に
楽しみです。
2007年03月31日
展示「青山二郎の眼」と茂木健一郎さんの講演
昨年、滋賀県のMIHO MUSEUMで開催された時に
見た展示「青山二郎の眼」が、年内中に
新潟市美術館と世田谷美術館を巡回するようです。
唐津、李朝、民藝、伊万里、九谷などなど、、、
様々なモノが並列にならべられている展示からは、
ジャンルによる差別化や作者の有名無名等は全く
通用しない青山二郎そのものを感じました。
秋に世田谷で見れると思うと今から非常に楽しみです。
ところで先日、愛媛美術館での展示に伴い開催された
記念講演会のなかで、脳科学者の茂木健一郎さんが
大変興味深いお話をされています。
茂木さんのブログ「クオリア日記」内の
2007/02/28 脳にとって美とは何か にて
MP3音声ファイルをダウンロードできます。
(2007年3月31日現在)
難しい話でも専門的な話でもなく、骨董や青山二郎の
ことを詳しくご存じない方でも、十分に楽しめる内容の
講義でした。もちろん脳科学に関する知識も不要です。
是非聞いてみて下さい。
2007年02月16日
柳宗理と出西窯 〜黒土瓶の仕事をめぐって〜 @ Gallery TOM
先日、渋谷にあるGallery TOMにて開催されている
「柳宗理と出西窯 〜黒土瓶の仕事をめぐって〜」に
行ってきました。
会場内には黒土瓶をはじめとする柳宗理ディレクション
出西窯シリーズの品々や、黒土瓶の製作に関する資料、
柳宗理氏と出西窯の交流における様々なエピソードが
紹介されています。

中でも興味深かったのが黒土瓶の製作に使う石膏型の
展示と、その脇で流れていた黒土瓶を製作する工程の
映像。
買い付け時に出西窯へお邪魔した時には見れなかった
シーンを見ることができました。
お邪魔した際には毎回、轆轤や釉掛けなどの作業を見させて
頂きましたが、その手際の良さとタイミングの良さは見る度に
グッとくるものがあります。今回見た映像の中でも繊細で非常に
難しそうに見える作業を陶工の方は簡単そうにこなしていました。

階段を上がったところには出西窯オリジナルの品が
並んでいます。現行品はもちろん、今は作られていない
貴重な品も展示してありました。

(画像:Gallery TOMホームページより)
主役の黒土瓶。デザインだけでも十分に素敵ですが、
出西窯の黒釉が持つ素材の力も感じました。
出西窯の陶工で黒土瓶を担当されている井上一さんは以前
「黒土瓶が出来上がり、先生にお見せした時は、涙を流して
喜ばれました。」と、おっしゃっていました。
多くの時間と手間を掛けて作り出され、巨匠を泣かせた
黒土瓶をいつか当店でも取り扱いたいものです。

(画像:Gallery TOMホームページより)
オープニングには柳宗理氏と出西窯の創立者のひとり
多々納光弘氏もいらしていたそうです。お会いしたかったです。
会期は今月25日までです。Gallery TOM さんのホームページ
にて詳細をご確認の上、是非足をお運び下さい。
協力:Gallery TOM
2006年12月02日
日本民藝館展
先日、東京駒場にある日本民藝館にて開催された
日本民藝館展に行ってきました。
毎年11月に開催されているこちらのイベントには日本各地の
作家・窯元の品が集められ、展示・即売されています。
陶磁器が大部分を占めていますが、ガラス・木工・漆器や
竹細工・藁製品といった、今ではあまり見かけなくなった
ものも見ることができます。
去年・今年と見に行ったのですが、民藝の良さを存分に
感じさせてくれる沢山の品に出会うことができましたし、
民藝の現在を垣間見ることが出来る貴重なイベントです。
来年も必ず足を運ぶつもりです。
既にご存知の方も多いと思いますが、
日本民藝館ホームページ
も是非ご覧下さい。
ちなみに今回展示されていた品の中に、当店取り扱いの
出西窯・森山窯・湯町窯の品が何点かありました。
写真下の森山窯さんの汲出しが入選のブースに展示されて
いたのは嬉しい限りです。
2006年01月11日
河井寛次郎記念館
京都の五条坂、清水寺から程近い場所に河井寛次郎記念館はあります。
この記念館かつて寛次郎さんの生活していた住居です。その住居ができる
限りそのままの状態で保存されていて、ご自身の作品や愛用していた品々
が展示されています。表現者としての寛次郎さん、そして生活者としての
寛次郎さんも体感することができます。
自らが設計したこの住居からは作品に負けないくらいの個性・美意識を感じ
ますが、天然素材が多く使われ、民家を模範として設計されているので生活感
に溢れていて非常に居心地が良いです。
またかなり年月の経つ(昭和12年完成)住居なのですが、単純な「古き良き」
ではなく、間取りや使用されている家具からは、むしろ新鮮で斬新な印象を
受けます。
どんな人でも「おぉ、よく来たねぇ」と迎えていた寛次郎さんの人柄の良さ
と、この空間の居心地が良さからか、寛次郎さんが生活していた頃から来客が
絶えなかったそうです。
親友の濱田庄司さんがイギリスから「スリップウェア」を持ち帰り柳宗悦さん
と寛次郎さんとその美について語ったのも、この場所でした。
作品は年3回入れ替えて展示されています。晩年につくられたものが多いですが、
中国古陶器を模範とした初期、民藝期の作品も見ることができます。
寛次郎さんに関する資料を見ていると、初期の頃から「彗星現る」と賞賛
され、「薬の河井」と言われるくらい釉薬を自在に扱うことができ、石膏型に
よる成形も第一人者とされるなど、かなり高度な技術を会得されていたことが
わかります。
最後の内弟子だった森山雅夫さん(森山窯)はこう言っていました。
「河井先生は陶工としての確かな技術・知識をお持ちでした。そしてそれらが
土台にあって、表現されていた、本当の意味での作家でした。」
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陶芸以外に取り組んでいた真鍮・木彫り・家具のデザインも展示物から見る
ことができます。森山さん曰く「夜中に急にデザイン画を書き始められることもあり
ました。」 晩年になっても全く尽きることのなかった寛次郎さんの創作意欲には
本当に驚かされます。
敷地内には登り窯・陶房もあり、実際に寛次郎さんが作陶していた現場を
見ることができます。
二番目の室の内部
実験的に焼かれたコースターほどの大きさの陶板。これらの陶板の
出来を見てはうなずいたり、首をかしげたりしていたのでは。
学生時代の学習ノートと日誌。館長の河井敏孝さんによればノートは整理して
書き直されているとのことです。勉強熱心な寛次郎さんの姿勢がうかがえます。
実際に使われていた陶房。作陶の際に使う道具が並んでいます。
今回お邪魔した時は休日だったこともあり、たくさんの来訪者が記念館に来て
いました。作品を見て「これ何だろ?」「これ何のかたちかなぁ?」とぼやいたり、
椅子に腰掛けて中庭を眺めたり、何回も館内を回ったり、作品に釘付けになったり、、、
皆さんそれぞれ、作品と空間を楽しんでいました。
寛次郎ファンの方はもちろん、寛次郎さんのことをご存じでない方も、京都に
行かれるときには是非足をお運びになってみてください。
取材協力:河井寛次郎記念館
